第5章 ミニオン島へ
今まで黙って見ていた幹部の1人が、技を繰り出し直撃した私は体勢を崩す。
「くっ…」
「フフフ…形勢逆転だな」
足技の途中だったため、足首を掴まれ持ち上げられる。
足首をそのまま砕くつもりなのか、力を込められて骨がミシミシと音を立てる。
痛みに顔を歪める。
「ダメージ玉…10割」
ズボンの腰ベルトに固定された透明な3センチ程のガラス玉に痛みを移し、幹部の1人に投げつける。
「ぐわぁ!」
当たって割れた玉からダメージが移り幹部は、1人膝をつく。
そのままズボンの腰ベルトに固定されているナイフを抜き取り足を掴んだままのドフラミンゴを切りつけるとやっと、足首が解放される。
「なんの能力だ…厄介だな。」
「海賊なんかに、教えるか…よ!」
今度はコートに仕込んである投げナイフを幹部に投げつける。
また1人幹部が膝をつく。
投げナイフは海楼石入りだ。能力者は力が抜けるだろう。
「ザコから片付けるべきだった…」
「フフフフ。どっちが海賊だかな」
「一緒にするな!!!海のクズが!!」
海賊なんて、みんな一緒だ。
略奪や殺人を繰り返し悪の限りを尽くす。
力のない一般市民は泣かされるばかりだ。
何故そんなものたちと同列に扱われなくちゃいけない。
「目が語ってる。お前の目はこっち側の人間の目だ。何を憎む?」
「……」
目の前の男は目元はサングラスで見えないものの至極楽しそうに口元に笑みを浮かべる。
何を憎むって…
その時手首に糸がくくりつけられ、うつ伏せに地面に押し倒される。
「ロシナンテとはどういう関係だ?」
「…教えない」
「フフフフフ…」
地面に押しつけられながら、肩を押さえられ腕をあらぬ方向へ曲げられる。
このままいけば折れる。肩と肘からミシミシと嫌な音がする。
「っ…!」
押さえられた反対の手でコートの中からナイフを構えようとした瞬間肩から嫌な音と共に痛みが体中に走った。
「っ〜っ!!!!」
利き手の右腕が折られた。肩も外れた。
痛いどころじゃない。声にならない。
うつ伏せに地面に押しつけられているためもがく事も出来ない。
「怒り、絶望…いい顔だなァ。フフ…」
「くっそっ…」
体にかけられた体重が離れたと思ったら、折れた腕を引っ張られ仰向けにされのし掛かられる。