第2章 暖かな日々
この頃になると同じくらいの歳の海兵が目につくようになってきた。ロシナンテとに事情があった様に色々な事情で早めに海軍に入隊してくる者は珍しくは無かった。
そうすると、今度は男と女という区別がうまれてきた。
こと海軍においてやはり男女比率でいうと男の方が遥かに多い。海賊相手に戦うのでやはり男の方が戦力になるのだろう。
それでもはめげなかった。
尊敬するセンゴクは男と女を区別しないし、さらにセンゴクの同期であるお鶴は中将という立派な地位に君臨している。
男も女も関係ない。強くなる!
にとって自分よりも大きくなったロシナンテは未だに自分が守ってやらなきゃと思える存在だった。
そんなある日の事、はひとつ年上の青年に呼び止められた。
頬を赤く染め話があるのだと言われ、鍛錬場の裏へとついていった。
そこで生まれて初めて女として男から好意を向けられた。
「好きです」
そう告げられたのだ。
訳が分からなかった。好きだからなんだと言うのだろう?そう思った。目の前にいる青年は私も好きだ。
仕事も真面目にこなすし、組手の時は深々とお辞儀をする礼儀正しい好感が持てると思う。
「ありがとう私も好きだよ」
そう答えた。
深く考えずに思ったことを口にした。
青年は顔を真っ赤にし、目を瞑りに迫った。
瞬間全身の毛が逆立つような感覚におそわれた。ぞわぞわとする。それは嫌だと直感した。
は慌てて青年をその場に残し逃げ出した。
逃げ出して直ぐに人とぶつかった、金色できらきらしているふわふわ男子。ロシナンテだ。
胸がキュっとした。
「ご、ごめん覗くつもりじゃ…」
見られていたのだ。よりによってロシナンテに。
恥ずかしくなってはロシナンテからも逃げ出した。
その日はもうロシナンテとは目を合わせられなかった。
が自分が女であることを意識し始めた日だった。