第5章 決意と決別
ふと周りの音が聞こえ始めた。
ドフラミンゴとトレーボルと…ローの声が聞こえる。
体が動くか確認すると手足が縛られていた。
目を開けると部屋の隅にいる様だった。
「おれは…優しいコラさんがあの日引けなかった引き金を代わって引きに来ただけだ!!!!」
ローの声が辺りに響く。
私はその声の内容に、頭からモヤのようなものが晴れていく感じがした。
私とローが離れていた13年。私は何もしてこなかった…でもローはこの日の為に血の滲むような努力をしてきたんだ。
しっかりしろ。
せめてコラさんの為に戦うローの邪魔にはなっちゃいけない。
しっかりしろ。
何のためにナギナギの実を食べた?
「凪【カーム】」
手を縛られていたって自分に触れることができる。
私から発せられる音は消えた。
とにかく、ヒモが邪魔だ。
私の力じゃ切れない。
ドフラミンゴの糸だ。
無理に引っ張れば体が切れる。私は身をもって知ってる…
「(嫌な事思い出す。)」
私の意識が戻ってる事に誰も気づいてない。
ドフラミンゴも、トレーボルもこちらを向いていない。
今しかない。
私は城から落ちる事を選んだ。
ドフラミンゴなら、どこかのタイミングで私を盾に使う。
それじゃなかったらコラさんの時みたいに使うに決まってる。
だったら私は
今度は
死を選ぶよ。
浮遊感に包まれた瞬間。
不思議な空間に包まれて、気づいたら城の下に居た。
「なにこれ!ロー?もしかして。気づいてたの?」
動けないままなのでそのまま上を見てると、城の一部が切れたりするのを見る。
「すご…オペオペ強!」
私なんて音無くすだけなのに…ぐすん。
いや、好きで食べたんだけどね。
しかし、安全に落ちれても糸を切らないと動けない。
どこかに刃物落ちてないかな…