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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第3章 コルボ山へ



東の海(イーストブルー)のドーン島、ゴア王国より辺境にあるフーシャ村を囲って連なるコルボ山。そこの山中に引き取って貰える山賊さん達がいたものだから、エースを抱っこ紐で抱えて最低限の衣服や赤ちゃん用具も鞄にしまっていて。それらを「これから頑張るだから……」とやる気を出した私が一人で持ち歩き、ガープさんことおじいちゃんと山賊さん達の住処に向かったのは良いんだけど……




?「ハァァアア?!ちょっと待ってくれアンタ!引き取る話は(渋々)了承したけどね……それが年端のいかないガキンチョと赤ん坊だなんて聞いてないよ?!」


?「か、勘弁しティください〜……!ちっちゃい子供のお世話なんて、した事ニーし格好がつかニーよ……!」


ガープ「いいや!お前達にはこの2人を引き取ってもらう、それとも……まさか断るつもりかのう?」


「「いえいえ滅相もありません!!」」




住処は随分と荒れた造りの山賊らしい木製の一軒で。外からおじいちゃんが「おーいダダン!!出てこんか!!」と呼んだ後、すぐに出てきた三人の山賊達は連れて来られた私とエースをその目で捉えて、紹介されるとギョッと目を剥いた


一人はオレンジの長いクルクルパーマで恰幅が良い男勝りそうな女性、二人目は腰に剣を一振り差して頭のモヒカンと顎髭が赤く鶏のような長身の男、対して三人目の男はその人の半分ぐらいの背丈で頭を布で覆ったり胴体ぐらいの刀を抜き身で携えている……


どうやら彼らとおじいちゃんとの間で話のすれ違いがあったらしく、さすがに幼子の面倒を見るのは無理だと嘆いていた。しかしおじいちゃんの態度は誰かに頼るにしては強引なもので、加えてすぅっと細めた目つきと一際低く唸った脅しの声に三人は一斉に前言撤回……。明らかに何らかの弱みがあって、無理強いを断りきれずにあっさり頭を下げている


私はそんな四人のやり取りを見聞きしていて、明らかに山賊さん達側が迷惑そうな表情なので気まずい思いだった。けれどガープさん曰く、私とエースの安全地帯は此処らしいし他には行き場も頼れる大人もいないわけで……。とにかく、何故かおじいちゃんに圧倒されている山賊さん達の前に一歩を踏み出し私は、そのまま角度を浅く頭を下げて願い出るしかなかった

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