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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第10章 託されるもの



祖父の口癖はいつも訪問の旅に言われる言葉、「お前達は海軍に入るんじゃ!!」という叱責だ。エースは将来海賊として名を上げたいと夢見ているので、毎回「断る!!」と返しては喧嘩になっている。けれど祖父が頑なに海軍を勧める理由を分かっていないわけではなく、それ以上に父親や世界に対する反抗心が優ってしまったが故のこと……。それをきちんと祖父も理解してくれており、承知だからこそ言葉よりも拳をぶつけ合う……。祖父と弟のやり取りは毎度ハードなのだ


その一方で私はと言えば、海兵になる事自体にあまり不満はない。確かに世界中の妊婦に酷い仕打ちを行い、忍耐強かった母に命を賭けさせたのは海兵だ……。あの時の深い悲しみ、理不尽への憤怒を永久に忘れない。けれど、両親が私達を託したおじいちゃんだって海兵だ。お堅い立場はこの際関係なくて、自分の信念に素直で貫く強さがあったら色んな生き方が出来る……。私は色んな人達と出会ってそう学んだ、それに今の私には良い事尽くめだから……




ガープ「は十分強く育った……、勿体振りすぎなぐらい安全な場所で、実践を積んどる海兵よりも強くなった!優秀すぎて昇進まっしぐら間違い無しじゃ!お前は今年から海兵になるんじゃ!言っとくが異論は、」

「ん、分かったよおじいちゃん」

ガープ「───絶対認めんからな!……って、少しは反対せんかい!!逆に心配するわ!」

「「だったら無理強いやめりゃーいいだろ!!」」



如何やらおじいちゃんはエースと同様、私も海賊を目指してるものだと思っていたらしい。そういえば私、思えば一度も海兵になるのをはっきり承諾した事無いもんね。うっかりおじいちゃんの言葉を遮って返事しちゃって、それがヘンテコなノリツッコミを生んでしまった。そしてダダンさん達から総出でツッコミを入れられた祖父に、取り敢えず心配は無用なんだと微笑んだ




「大丈夫だよ、おじいちゃん。私は過去を赦せやしないけど、それ以上に望んで海兵になるの……。だって海兵はムカつく悪党を倒せるでしょ、お給金があったら私達の生活も楽になるし、私は誰もが平和でいられる新時代を作りたいんだ」


「「……お前っ!!」」




私の言葉に涙ぐんだ一同、中でもおじいちゃんにはエースごとがっしり抱き締められた
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