• テキストサイズ

転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第2章 プロローグ





南の海(サウスブルー)のバテリラ、その島にひっそりと佇む民家に新たな命が誕生した




───「……女の子なら『アン』、男の子なら……『エース』……彼がそう決めてた……」




緩やかなウェーブの金髪に深紅の髪飾りを付けた女性、ポートガス・D・ルージュは大量の汗と苦痛の中でも腕に抱えた赤ん坊へ優しく微笑んだ。ホギャア!!オギャア!!と産声を上げる我が子に頬を寄せ、息も絶え絶えに愛おしそうな眼差しで名前を伝える




───「この子の名前は……『ゴール・D・エース』、彼と私の子……そして……」





少し離れた場所で出産を見守っていた険しい表情の軍服男、その隣で涙を溢れさせている少女にルージュは手招きする。そして促されるままルージュの元に駆け寄った少女、は小さな腕に赤ん坊をそっと渡される





───「『ゴール・D・』……漸く産めた貴女の弟よ……!私もあの人も貴女達をずっと、ずっと愛してるわ……。例え世界が貴女達を否定しようとも、罪人の子らだと罵って蔑もうとも……。私はそれでも2人に助け合って生きてほしい、絆も幸福も自由も知って、希望を持って生きてほしい……っ」




ルージュは赤ん坊を抱いたごとギュッと抱き、小さく「うん」と頷き返されるとそのまま力尽きてしまって静かに亡くなった


彼女は実に20ヶ月もの間、海賊王と呼ばれた凶悪犯……ゴール・D・ロジャーの子供を胎内に身籠り続け、その血を絶やそうとする政府が諦めるまで欺いたのだ



/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp