第5章 鬼の子達よ、達者にあれ
その一方で、生まれ変わりを自覚出来た私はと言えば、まずは先述の通り生活環境の改善を始める事にした。何せ当時の体年齢は僅か6歳、弟に至っては1歳目前の赤ん坊で。いくら周りが丈夫な山賊だらけと言っても、お肉がメインの偏食料理や少しばかりの清潔感では心身共に荒んでしまう!前世で修行の為の一環として罠があったり空気が薄かった山中に籠り、最低限の生活ながらも体を鍛えた健康的な日常を思えば耐えきれない……
そこで自身が体調不良になったのを利用し、山菜を使った料理や動物の肉の処理方法を正しくしたり、週に一度の掃除や生活習慣の改善なんかを試みた。さすがに意義を申し立てた時は、「お前ホントに6歳児かよ?!」と怒涛のツッコミを全員に貰ったのだけど……
そこは「母さんに教わりました」って半分本当の事を言って誤魔化した。次いで「エースにもダダンさん達にも健康でいてほしい」って本音も添えると、今度は「テメェは天然タラシか!!」「心配性と面倒見が良いのも大概にしな!」と真っ赤な顔で怒鳴られた。褒め言葉なので照れているが丸分かりなんだよね……
その後、結局「山賊の暮らしにケチつけやがって!」と文句を言いつつ、色々助言する度に聞いてくれるので良い人なのは彼方もだと思う。言ったら多分怒るだろうから言わないけれど……。そんな経緯で大体3年間はエースのお世話、家事の手伝いを中心にして暮らしていた
そしてエースが3歳、私が8歳になったら筋肉と持久力を鍛える運動を始めた。エースと自分の食事分に山菜と動物を調達するべく、パイプ(武器)を片手に猪や鹿などを狩ったり山菜を採り、食材を積んで重たくなっていく籠を背負って走っていたら自然と修行になったのだ。するとそういう重労働を毎日続ける中で、ふとさり気ない違和感に気づいた。今世の私は身体が丈夫で動きやすい……反射神経、動体視力、柔軟性、腕力、脚力なんかも、順応力が高いからか疲労感もほとんどない
伊達に私も海賊王の娘なんだということか、前世以上に身体能力ぎ恵まれているらしい。そんな事実をある日に悟ってからは、山中の一部スペースに罠を作って反射神経と回避力を鍛え、全身の筋肉と肺を本格的に強化する修行を始めた
それを1年間休まず毎日空いてる時間に続け、9歳になったら(エースは4歳)全集中の呼吸と型の発動練習なども行った
