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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第15章 昇級と新部隊、結成



そうして仕事を一通り学ばせてもらった後、私と祖父は人目や盗聴を避けて私の家で内緒話があった。家は希望する海兵達が住まう寮で男女別棟になっているが、家族や恋人の行き来は自由になっている。部屋は女性の一人暮らし用なので男性寮より天井が低い1LDK、なので高身長・筋肉質な体格の良すぎる祖父には窮屈そうだ。祖父は自分の肩ぐらいの細長い木箱と数多の手配書を持って来て、リビングで煎餅とお茶を用意すると座って早々に私の身長ぐらいの木箱を渡される。



「まずは昇級祝いじゃ!海楼石の三節棍をやろう!」

「三節棍……新しい武器、とっても凄い!!ありがとうございます、おじいちゃん!」

「がっはっはっは!!可愛い孫を喜ばす為なんじゃ、奮発した甲斐があったわい!!」



ニヤッと不適に笑った祖父から貰った木箱の中身は、銀色に輝く海楼石が原料になった三節棍。通常よりも遥かに太くて頑丈なそれは、節と節をこれまた大きな鎖で繋がっていて。今後きちんと扱える様に練習しよう、と初めて手にした慣れない武器に新鮮な気持ちを持った。そして嬉しそうに豪快に大声で笑ったおじいちゃんは、やがて気分も落ち着いてくると真剣な顔で大勢の海賊達の手配書を見せてくる。わざとらしいけどおじいちゃんの咳払いに陽気な態度は欠片もない、故に私も三節棍を一旦箱に閉まってテーブルの端に寄せておく




「ん゛ん゛んっ……、これからお前も海軍の戦力の要になったわけじゃ。今後、戦っていく敵にはロジャーと因縁がある者もおる、お前自身も幼い頃に関わっていた海賊達が大勢おる筈じゃ。まあこの際、既に正体を知られてしまった者はしょうがない。今も世間が海賊王の子供で騒いどらんのだ、その連中は構わんじゃろうが……」


「そうだね、絶対にバレてはならない……。まぁ幸い私は母親似だし、よっぽどのヘマさえなければ大丈夫だろうけど……」


「いいや、分からん。お前は見る者が見れば中身はロジャーにそっくりじゃ、力もそうじゃが敵を睨んだ時の目も、覇気さえ彼奴の威厳が見えよる……」




あまり油断はするんじゃないぞ。声を顰めて険しい顔でそう言ったおじいちゃんは私の手元の手配書を見、「要注意人物達じゃ」と伝えてくるので一枚一枚その顔ぶれを見て行った。
まずは新世界を総べる四皇の海賊のうち二人、既に私を知っている赤髪海賊団と白ひげ海賊団を含めた者達。
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