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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第4章 前世と今世





私はある日40°以上の高熱で倒れ、頭痛や吐き気や倦怠感に悩まされながら寝たきりになった。とにかく熱くすぎるあまり大量の汗を流し、身体中が火照って動くのも億劫なくらいに重かった


病気や感染症による症状ではなく、精神的にか生活習慣による疲労が原因で起こっただろうという事だ。私が倒れたその日にダダンさんが山を降り、麓にあったフーシャ村の病院にまで押しかけて言われた。医者からは絶対安静を念押しされて、エースのお世話やお手伝いも出来ずに正直気分が滅入る一方で……


そんな日々に遠い遠い過去の夢を見た。かつての人生で鬼狩りとして闘い、余生を静かに過ごして死んだ儚い前世の記憶を思い出す───












時は戦国乱世の世、鬼舞辻無惨という鬼によって人間が凶悪に鬼に変えられ、その当時から数百年後の大正時代まで鬼殺隊と呼ばれる組織が鬼を狩っていた。私もかつては鬼に変えられた友人のせいで両親が殺され、救ってくれた師範を頼りに数多の技で己を鍛え上げた。隊士の殆どが私と同じような過去を持ち、鬼に激しい恨みを持って無惨を倒すべく戦いばかりの日々を過ごしていた


そんな鬼の弱点は太陽の光と頸の切断、日輪刀という特別な玉鋼で作られた刀でまともに攻撃できる。そして鬼殺隊士になるには酸素の薄い山中に身を置き、筋肉と肺を存分に鍛えて『全集中の呼吸』とそれで繰り出す『型』を学ばなければならない……。大量の酸素を取り込むことで筋肉の強化や怪我の治療も出来、寝ている間も行うする『全集中の呼吸常中』となると基礎体力や戦闘力が格段に上がるのだ


しかし無事に藤襲山の最終選抜試験を通り、鬼殺隊への入隊が出来たものの自分の体に違和感があった。自分の体には基本の呼吸がピッタリと合わず、炎と風と水と雷の4種の呼吸を全て学んでみたがどれも完全に一致する事はなかった。なので当初は『自分に合う呼吸が無いかもしれない』と諦めかけたものの、ある時を境に才能を開花させることが出来たのだ


それは鬼舞辻無惨によって他の鬼より多くその血を与えられ、強化された『十二鬼月』と呼ばれる下弦と上弦の鬼達……。その中の下弦の壱との戦闘により、殺される限界で放った火事場の力と身のこなし、咄嗟の呼吸で4種全ての特徴を合わせた呼吸となって下弦の鬼の討伐が成功したのである


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