第12章 麗しい華姫、爆誕 海兵side
近頃の海軍は最年少の女海兵に注目が集まり、その人物の武勇伝と噂ばっかりが持ちきりだ
海軍の英雄で拳骨のガープと恐れられる中将、モンキー・D・ガープさんのお孫さん……。新米海兵の一員として現れたちゃんという少女は、もうすぐ15歳になるらしい若さで異性を惹きつける美貌と見た目にそぐわぬ才能を発揮していた
彼女は真っ赤なハイビスカスを綺麗な金髪のポニーテールに添えて、柔和な気性と逞しさを表すような薄いルージュ色の凛々しい目元、いつも微笑みを浮かべる潤った唇や、鼻筋が通った愛らしい顔立ちは戦いを知らない淑女のよう……。体格も周囲より遥かに低くてほっそりとして、女性らしい真っ白な肌や成長途中の体つきにも強者らしさを殆ど感じない……。同性が見ても少女はあまりに可憐で美しく、いやらしさの無い綺麗な色気を放っていた。将来はきっと海賊女帝とも張り合える大人の美女になるに違いない
そんな新人の女海兵・ちゃんに対する、海兵達の見方は当然色々あった……───
純粋に彼女自身と好意的に接するメンバーもいれば、コネや不正採用を疑う否定的なメンバーや、姑息な悪戯を仕向けるメンバーもいる。中には彼女に関心が無かったり、一々周囲が騒つく事を不快に思っていたり、或いは彼女がどうするのかと様子見を決め込む者もいる……。しかし彼女は仲間からの陰口や嫌味、雑用と書類業務の押し付けだったり、小さな嫌がらせやパワハラにさえ冷静だった。全く気にしないどころか一切支障がなく、容量が良いのか虐めにすらもなっていなかった
「なぁおい知ってるか?あの新人の女、ガープ中将の孫だってよ!コネ採用で来たんじゃね?」「はははっ!明らかに弱そうだもんな、どうせすぐに不評を買って辞めるんじゃね?」入隊した当初はそう言われていたのだけども、しがない私のようなモブを初め、数少ない女性海兵が憧れ、一目置くような彼女の活躍ぶりと噂を聞いてほしい……