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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第3章 コルボ山へ





コルボ山に来てから数ヶ月間、私はエースを抱っこして片時も離れず(さすがにエースが眠ってる時はお手伝いで離れることもあったけど)一生懸命6歳なりにお世話した


ミルクを欲して空腹で泣き、尿や便を漏らして不快に感じては泣き叫び、夜中に目覚めて大泣きし、眠気があっても寝れない時は不機嫌で泣きじゃくる……。初めは私もまともにお世話が出来ない事もあり、山賊さん達も赤ん坊なエースに振り回れるし、ドグラさんが買ってくれた育児の本は大変役立った。多分彼らは子供な苦手であり、ぶっきら棒に接してしまうだけなんだろう……。当時はそんなに深く考えてなかったけれど、案外気難しいなりに優しい人達なんだって事は悟ってた……


それにダダンさん達は何だかんだ言いつつも、私がエースのお世話をしやすくしてくれて約束通りお手伝いも最低限。夜中に目覚めたエースが大泣きしたら、その時の為に迷惑を考えて私達が一階で寝ているわけなのに、十分以上経ってもぐずって泣いていたらわざわざ降りて付き合ってくれる


「まったく、こっちは寝てるってのに元気なガキンチョだね。お前じゃ無理ならもう寝てな、朝からエースのお守りと手伝いだってのに本調子じゃないのはこっちも困るんだよ」


そう言って絶対変わってくれて、次の日の朝には私の隣にエースが丁寧な状態で寝かされて。更にその隣では山賊の誰かが絶対、目の下に隈を作りながらも眠気と戦って起きてたり……


お手伝い中に泣き始めたら必ず素早くフォローが入るし、「背負ったままでやるから遅いんだ!」って強引にエースを剥がしてお世話の交代もしてくれて。当初は私が全面的にエースのお世話をする筈が、気づけばミルクも布製おしめも私以外が出来ていて。そのくせ私が「ありがとう」と言ったら、「山賊に礼なんざ言うんじゃない!」って赤面したり、顔が緩んでいたりして……


おかげで私が(本人達には言わないものの)彼らを大好きになって、決して裕福じゃない野生的な生活にも慣れるのにそう時間はかからなかった。コルボ山ではダダンさん達山賊以外にも獰猛な猛獣が住んでる事で有名らしく、食事はぶっちゃけ山菜よりも肉料理ばかりが並んでる。お風呂とトイレと洗濯だって川やその水を運用し、多少汚い程度の物は使い回し、衛生面は壊滅的で酷すぎた


そしてそんな生活も随分経ったある日、私は突然の体調不良になった
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