第3章 下忍・アカデミー編
翌日──
「アレ?ナルトォ!なんでお前がここにいんだよ!
今日は合格者だけの説明会だぜ」
「お前さ、お前さ。
この額当てが目に入んねーのかよ。」
今日は、卒業試験合格者の説明会。
ナルトの合格の件を”風の噂”で聞いていたカルタは、その姿を見て内心安堵していた。
──彼が受かって良かった、ほんとうに。
「ちょっと、そこの席通してくれる!」
勝気なくノ一の声。
春野サクラ──ナルトにとって、何だか気になるカワイイ女の子である。
「ナルトどけ!私はアンタのむこう側に座りたいのよ!」
ナルトのむこう側…。
うちはサスケ──ナルトからすれば、いつもスカしてる、オレの一番嫌いな奴!!
ナルトの敵意に気付き、サスケはその鋭い眼光をナルトに向け、「なんだよ」と応戦した。
「てめーこそなんだよ!」と、サスケに噛み付いたナルトは、恋する乙女のパワーで潰れてしまった。
サスケは、今朝いっしょだったカルタが自分の隣に座らなかった理由を、ここで何となく察した。
───何が、「ラッキーパーソンが”蟲使い”」だ。
チラリとシノを横目で見ると、シノとカルタが何か話してるのが見えた。
その姿に苛立ちを覚えていると、サスケの座っていた机の上に、行儀悪くナルトが座り込み、サスケの視界はナルトだけになった。
「てめぇーナルト!サスケ君にガンたれてんじゃないわよ!!」
サクラを筆頭に、女の子の非難の声がナルトに集中した。
それが余計に、サスケへの敵対心を煽った。
一触即発か…?
と、誰もが思ったとき───
ドン!
ブチュ!!
「え…え…」
「あ!わりィ」
とあるキューピットの少年により、サスケのファーストキスは、めでたくナルトとなった。
あのイチャイチャシリーズにも引けを取らない、アツい口付けである。
『あら…』
「む…」
但し、その後ナルトはボコボコになるものとする。