第1章 *
もう20時も回っていたけど、やっぱり携帯がないと不安だから
太一の部屋に取りに行くことにした。
太一の部屋の前に着いて、コンコンと扉をノックした。
扉越しに「誰だー?」なんて間の抜けた声が聞こえる。
「太一?私。」
私が答えると、ガチャリと扉が開いた。
「おー、はな。どうした?まぁ入れよ。」
「携帯忘れちゃって。ごめんね、お邪魔します。」
2時間ぶりの太一の部屋。ふとベッドに目をやると、ヤマトくんとの出来事を思い出してまた体が熱くなる。
「お前…、ヤマトとなんかあっただろ。」
いつになく真剣なトーンで言う太一にドキッとする。
これは隠し通すわけにいかない。もし嫌われてしまっても、太一に嘘をついていたくない。
「実は…」
と、私は先程のことを話した。
話し終えて、太一の顔を見ることが出来ず俯く私の頬を太一の両手がガっと抱え込む。
「太一…?」
すると、私の唇を貪るようにチュッチュと音を立てながら太一の唇が塞いだ。
「ふっ…んんっ…たい、ち…」
太一の胸板を手でグッと押して顔を離した。
太一は、私の両頬を抑えながら怒ったような悲しいような顔をした。
太一のそんな顔を見て胸が痛くなる。
「正直…めっちゃムカついてる…。俺以外の男にお前が触られたこと、お前が感じたこと…。ヤマトもヤマトだよ…俺と付き合ってること知ってるのに…。でも、それ以上に俺、お前をめちゃくちゃにしたいと思ってる」
そう言うと、太一は私をお姫様抱っこでベッドまで運ぶ。
ドサッと乱雑に置かれ、太一が私の上に覆いかぶさった。
「ごめん、初めてはもっとちゃんとしたかったけど、優しく出来そうにない」
切羽詰まったように太一はそう言った。そして、私の首筋に齧り付くように顔を埋めた。
「っ…!」
微かな痛みを首筋に感じた。
「虫除け…これじゃ足りない」
太一はそう言って、私の首筋、鎖骨とたくさん跡を付けた。
そして、強引に私のTシャツを捲りあげ私の露になった胸を眺めた。
「ヤマトにどこ触られたの?」
「えっ…と…この辺り…かな…?」
私が答えると太一の顔が曇った。
「ふーん、ここ…気持ちよかったんだ?」
私の硬くなった蕾を抓ってこねくり回しながら、そう言った。
「いたっ…」
痛みと快感が一度に体に走る。
「舐められたりもしたのか?」