第5章 第四話 黒の教団壊滅事件!?
「あの、ユキサ…」
「小鳥遊さん?」
気まずそうにしながら、彩音が口を開く。
けれどそれは言葉にならず、2人の間に微妙な空気が流れていた。
そんな中。
「そうだ!コムリン、吉報だ!!」
ピーン、と何か閃いたかのようにコムイがアレンを見る。
嫌な予感がした。
「アレンくんの対AKUMA武器が損傷して困っているみたいなんだ~!」
すぐに治してあげなさい!と言ったコムイの言葉に、コムリンが反応を示す。
「アレンを身代わりにするつもりか―!」
「優先順位変更!優先順位変更!アレン・ウォーカーを最優先に処置する!」
コムイにリーバーが怒鳴っていると、捕らえていたリナリーへコムリンが何かを噴き付けた。
瞬間、気を失ってしまったリナリー。
リナリー!と叫んだコムイは、降ろされたリナリーへと駆け寄った。
案ずるな、生命反応はある、と言った65号に、そういう問題じゃないと思うけどと不二が突っ込んだ。
「ツヅイテ、アレン・ウォーカーノホカクニウツル」
ロックオン、とアレンを見たその時だった。
コムリンが、ピタリと止まった。
ん?と思った周囲だったが、次の瞬間。
「えっ…」
「キャッ…」
手が伸びてきて捕らえられたのは、アレンではなくユキサと彩音だった。
「ユキサ!!」
「彩音!!」
反射的にイノセンスを発動して、コムリンに向かおうとしたアレンと不二。
しかしその2人の前にコムイが泣き喚きながら飛び出してくる。
「は、離して…」
「周助、助けてー!!」
じたばた暴れる2人を、コムリンは胸のあたりに位置する手術室と書かれた場所へと運び込もうとする。
それを見て不二がコムイを押しのけてコムリンへ飛び掛かろうとした時だった。
「コノフタリノ…アイヲ、シュウフクスル」
―――――愛?
ピシリとその場が凍りついた。
どういうことなのか、と思わずコムイが問いかけると、コムリンの話はこうだった。
アレンを捕らえようとしたが、近くにいたユキサと彩音が目に入った。
2人はお互いぎこちない態度を取っていた。
エクソシストを強くするには絆も大事。
=2人が愛し合うように洗脳をする。