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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第4章 第三話 災いを呼ぶもの


「リ、リナリー??」
「あ、あのね!今ちょっと…食堂には入らない方が…」

ジェリーが料理を焦がしちゃって、すごい匂いなの。
そう言うリナリーはなんだか様子がおかしい。
僕は気にしませんよとなおも進もうとするアレンを必死に止めるリナリー。
その様子を見て、彩音と不二は顔を見合わせた。



あれから断固として道を譲ってくれないリナリーに3人は仕方なくその場を去った。
昨日の帰り道に軽食は取ったものの、翌日になればお腹は空くもの。
いつご飯食べられるかなぁ?と話しながら、アレンたちがやってきたのは科学班のいるフロア。

アレンは昨日のジャンの事が気になっていた。
ジャンの父親の事をリナリーに聞けば、ジェイク・ラッセルの事だと思うと言われた。

昨日に引き続き、部屋を開けると相変わらずの雰囲気。
ラッセルの名前を出すと、リーバーが一方向を指差した。
足元にもある本や紙をなるべく避けながら、3人は奥へ向かう。

積まれた本に埋もれるようにして作業をしている1人の男がいた。
外見が少しジャンに似ている。
書類に書き込んでいる手を止めないラッセルに、アレンが声をかけた。

「あなたが…ジェイク・ラッセルさん…ジャンくんのお父さんですか?」

うむ、とチラリとアレンを見て、また視線を手元へ戻す。
忙しそうにしているラッセルに、アレンが語気を強めて続けた。

「昨日、ジャンくんに会ったんです!街をAKUMAから守るんだってパトロールをしているみたいで…」

危ないからラッセルからも注意してほしい。
アレンがそう言ったが、ラッセルは何やら考えていた謎が解けたらしく、嬉しそうに叫んでいた。
人の話を聞かない所はジャンにそっくりだなと彩音も不二も苦笑い。
ジャンも、アレンが危ないからパトロールを辞めるように言ったが、自作のたまねぎ爆弾を飛ばしてその場を去っていったのだ。

ため息をついていたアレンだったが、何か思い立ったように歩き出す。

「ア、アレン!どこ行くの!?」
「ジャンくんのところに行ってきます!」

バッと走り出したアレンに、彩音は困ったように不二を見た。

「とりあえずリナリーに知らせよう」

コクリと頷いた彩音は不二と共にその場を後にした。
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