第4章 第三話 災いを呼ぶもの
次の日、目が覚めた彩音は飛び込んできた見慣れない部屋に飛び起きた。
しかしすぐにこれまでの出来事を思い出し、ここが教団本部の自分の部屋だという事を思い出す。
昨日は疲れ切って、部屋へ戻った後すぐに眠りについてしまった。
シンプルな部屋に彩音は少し寂しさを覚える。
「これから…どうなるんだろう…」
AKUMA、そしてエクソシスト。
この世界は自分たちのいた世界とは違いすぎる。
自分がエクソシストで、AKUMAと戦わないといけないなんて。
そう考えて、彩音は小さく体が震えた。
「私に出来るのかな」
思い出すのは自分よりも小さい体のユキサの姿。
大事な幼馴染みに瓜二つの彼女は、戦いで傷を負っていた。
ブンブンと首を振って、彩音はブレスレットに手を添える。
「強くならなくちゃ」
自分の身も、そして大切な人も、守れるように。
そう決意し、彩音は支度をして部屋を出た。
「周助!」
部屋を出てすぐ目に入ったのは、辺りを見回しながら廊下を歩いている不二。
おはようとお互い挨拶を交わす。
「昨日はよく眠れた?」
「うん。なんだか、とっても疲れてたみたいで」
アハハと苦笑いする彩音に、僕もと不二も笑った。
アレンから食堂の場所を聞いていた2人は、下の階層へ階段を降りる。
とそこで、アレンとはちあった。
「あ、おはようございます、2人とも」
おはようとアレンとも挨拶を交わし、3人は食堂まで他愛ない話をしていた。
食堂までもうすぐという所で、食堂からリナリーが出てくる。
声をかけようとした所で、3人に気づいたリナリーが何やら焦りだした。
「??」
「どうしたんですか?」
声をかけたアレンに、なんでもないと答えたリナリー。
そのまま3人が食堂へ向かおうとすると、リナリーが進路を遮るようにして3人の前へ立った。