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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第25章 第二十四話 アレンを追って


まさかユキサが仮にも教団の人間にそんな言霊を使うとは。

まぁルベリエの人柄を見れば、当然の報いだと思うが。

「…分かった。その後はどうする?」
「方舟だと居場所もバレる。街に出るという名目で、汽車で移動しよう」

準備も含めて2時間後に街へのゲートの前で。
そう言ってユキサと神田は別れた。



「ほう…実験をやめると?」
「はい。実験に必要なものは既に多くが揃っているかと思います。それに私は命を削ってズゥ老師を蘇生させました」

もう十分すぎるほど働いたはずですと答えたユキサに、ルベリエはニヤリと笑った。

「神田ユウが戻ったからかね?」
「………」
「……まぁいい。彼が戻った事で少し戦力も戻った。キミの言う通り、実験のデータも材料もそれなりに揃っている。あと少しだけ提供してくれたらやめることを許そう」

多少無理はさせる事になるが、それが終えれば開放してやると。
やっぱり穏便に済ませる事は無理かとユキサは分かりましたと頷いた。



「小鳥遊、不二」
「神田!」

神田は食堂へ入るなりすぐに2人を見つけて近づいた。
近くにユキサがいないのを見て不二が聞くが、野暮用だと短く答える。

「あ、神田。蕎麦でも食べる?私持ってこようか」
「いい。お前らに話がある」

え?と彩音と不二が顔を見合わせた。
ここでは言いづらいと言う神田に、じゃぁ僕の部屋へと不二が言った。
2人はちょうど昼食を終えた所で、席を立った。

それから不二の部屋に着くなり、神田はすぐに口を開く。

「俺とユキサは教団を出る。モヤシを追う」
「え!?」

驚く彩音をよそに神田は話を続けた。
ユキサは彩音と不二も一緒に来るように言っている事。
自分がいなくなった後、2人が実験に使われるのを危惧している事。

その他にも何か彩音と不二を残す事に気がかりな様子を見せていた。

だが、教団に秘密でアレンを追う事は重大な規則違反になる。

「あいつはお前らをどうしても連れていきたいみたいだがリスクが高すぎる。教団を裏切れば、今後は追われる身になる」
「そんなの、神田とユキサも同じじゃない」
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