• テキストサイズ

【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第24章 第二十三話 記憶<メモリア>


「ロード…」
「…いい言葉だよね」
「え?」

立ち止まるな、歩き続けろ。
ユキサがそう言うと、アレンが少しだけ笑った。

これからどうするの?というユキサの問いかけに、アレンは教団には戻らないと言った。

「そう。多分、その方がいい」
「ユキサはどうするの?キミも神田とアルマを逃した手助けをしたから軟禁されてるって聞いていたけど」
「私は戻るよ。彩音と不二のこともあるし…」

でもその前に…。
簡単でいいからアポクリフォスの事を教えてほしいとアレンに言った。

時間がないため手短にだが、アレンが事情を説明する。
その上でこの事は他の人には内緒にしてほしいと言った。

「確かに、イノセンスに疑問を持ち始めればシンクロ率に影響が出るかもしれないもんね」
「本当はユキサにも言うつもりはなかったんだけど…」

頭に血が上ってアレンもティキも構わず喋ってしまった。
小さくため息をついて、アレンがユキサに向き直る。

「どうか気をつけて下さい。アポクリフォスにはイノセンスの攻撃も効きません。枢機卿の姿で、教団内に潜伏しています」

もしかしたら他にもいるかもしれないとアレンが言った。
その言葉に強く頷いたユキサを見て、アレンがにこりと微笑んだ。
次いでアレンはティムキャンピーに手を添えた。

「ごめんティム…おまえは大きいし目立つから、一緒には連れていけない」

ガーン!とショックを受けたティムキャンピーが、慌てて小さくなった。
うわっ!と驚いたアレンと、小さくなれるのね…と笑ったユキサに、ティムキャンピーが頬ずりをする。
別れを理解しているようで、スノーベルがいつもいるユキサの団服の場所へも近づいたが、ユキサは録画されるとめんどうだからとティムキャンピーにごめんねと謝った。



ユキサに背を向けて、アレンが方舟ゲートを出現させる。
それを見守っていると、息を切らせながら隣に降り立った人物がいた。

「リナリー…」
「どこ…行くの…?ゲート、勝手に出したら怒られちゃうよ…?」
/ 519ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp