第23章 第二十二話 アルマ・カルマ
「やめろっ!!!!」
アレンが手を伸ばした時。
アルマとイノセンスが共鳴した。
辺りが真っ赤に染まる。
ギュッとアレンの手を握るユキサが口を開いた。
アルマが呆然と他のイノセンスの前で立ち尽くしている。
「アレン。『この人』たちは、戦いで亡くなった人たち」
「え…?」
「戦闘不能になった適合者の脳を別の器に移植して、イノセンスの適合者になれるか実験をした。…それが、第二エクソシスト計画」
ユキサのその言葉に、アレンは絶句した。
『見たいなぁ、一面に咲きほこってるところ。いつかふたりで一緒に見ることができたら…』
「 」
『ホントに?おじいさんとおばあさんになってもよ?』
―――――待ってるね。ずっと…待ってる…。
「ぎっ…が、ぁぁぁああ!!!」
ユウが体を起こした。
封印が施されている状態で無理矢理起き上がる。
バチバチと体を走る痛み。
どうして。
どうして起き上がる。
顔も朧げで名も判らない、思い出せない。
俺の記憶はもう壊れてる。
なのに、どうして。
「どうして…っ!会いたい気持ちが捨てられねぇんだよ!!」
カッ!!と眩い光が辺りを照らす。
次の瞬間、ユウの元にイノセンスが現れた。
「イノセンス…こんな物の適合者だった為に俺は…もう嫌だ!!」