第22章 第二十一話 第三使徒計画
AKUMAを倒すためにAKUMAの力を使うなど…。
「イノセンスに選ばれ、軽々と使徒になった貴方たちには分からないでしょうがね。私たちがこんなにも…世界を救いたいと思う気持ちなど」
だから邪魔をするな!と。
ノアに殺されて終わりなんてまっぴらごめんだ。
マダラオに吸収されて一部になるのが、自分の望みだと。
強く言ったトクサに3人が何も返せずにいると、静かな声が辺りに響いた。
「安心おし…お前たちを終わらせるのは、僕たちじゃない」
「!!」
アレンが1人のノアに蹴り飛ばされ、ティキの手がマダラオの体を貫通する。
不二と彩音はその場を飛んで避けた。
「トクサ…ッ!」
もう1人のノアに捕らえられているトクサの名を呼んだ瞬間、彼の体がバキンと音を立てた。
Jordan 教団陣営
「ッ…!」
神田と共に陣営を守っていたユキサがその惨状に唇を噛む。
治癒魔法をかける間もなく、部隊が壊滅した。
死んだ人間に治癒魔法は効かない。
「神田ユウじゃな?」
「なんだテメェは」
聞こえてきた声に、神田とユキサが振り返った。
頭にバンダナを巻いているノア。
「『アルマ』という名を知っておるか?」
「!!」
神田が大きく反応する。
そんな神田を見て、知っておるなとニヤリと笑った。
何か仕掛けてくる…!
呆然と立ち尽くす神田の前にユキサが庇うように立った。
「おぬしの脳、我らのパーティーに使わせてもらうぞ」
ノアの額に目が浮かび上がる。
その瞬間、ユキサが血を吐いてぐらりとその場に倒れた。