第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
「おや…?てっきりユーくんかと思ったのに…」
湯気でメガネが曇っちゃったかな?と眼鏡を拭くティエドールに、ユキサは反射的に神田を抱きしめた。
骨ばったウサギだな…と呟いたクラウドに至っては、男たちはその姿を直視できない。
ガキィン!と大きな音がしてハッとそちらを向けば、ソカロに襲われているアレンがいた。
容赦なくイノセンスで襲いかかってくるソカロに、アレンが神ノ道化<クラウン・クラウン>で応戦する。
ゆらり…とリンクとブックマンも立ち上がり、こちらを見た。
「おい!六幻の修理はもう終わってんだろ!?」
「終わっちゃいるがまだ科学班フロアの研究室にあるんだよ」
「それならボクがコムリンと逃げてくる途中で寄ってきたよ!」
ぐっと親指を立てるコムイに、神田が早くよこせと言おうとした時。
「取ってきたかったけどすでに亡者の山で即Uターン…」
「寄っただけかよ!!」
「ユキサ、後ろ!!!」
リーバーがコムイの頭を叩いた時、不二が叫んだ。
ハッとしてユキサがその場を飛ぶ。
ラウとティエドールのアートが襲いかかった。
このままでは殺されてしまう…!
「ッ…彩音、ちょっとごめん!」
「むぐっ!」
服の中に彩音を押し込み、不二がイノセンスを発動した。
その手に槍が出現する。
が、その瞬間不二がガクリと膝をついた。
「不二!?」
「グ、グングニルが重い…っ!」
今不二は女性の体になっている。
ただ重たいだけじゃない、イノセンスと上手くシンクロできていないようだった。
神田が不二に向かって叫ぶ。
「不二、イノセンスを解け!」
「コムリンEX、なんとかしてくれーーー!」
「了解」
「ちょっ…」
不二がイノセンスを解いたのとほぼ同時に、コムリンの体がガシャンと開き、無数のミサイルが撃ち込まれた。
そのミサイルは戦っていたアレンや戦おうとしていた不二をも巻き込み、大きな爆発が起こった。