第20章 第十九話 黒の教団壊滅事件再び!?
本部が壊滅に追い込まれたAKUMAの襲撃から数日が経った。
すでに修復が不可能なほど破壊されてしまった本部は、引っ越しする事となった。
そのため全団員が引っ越し作業に追われている。
時刻は午前2時を回ったところだった。
「科学班の手伝いに呼ばれてるんだっけ?」
「そうそう。あそこが一番荷物をまとめるのが大変だって」
ユキサと彩音がそんな話をしながら歩く。
前を歩いていた不二が、なんとなく嫌な予感がすると言った。
なにせあの科学班の荷物だ。
日頃色んな実験もやってる、あの科学班の…。
「2人とも…今日はもう寝た事にして部屋に戻らない?」
「どうしたの周助?」
珍しいねとユキサにも言われて、不二がうーん…と考える。
「いや、なんでもないよ…行こうか」
「「??」」
不二の反応が気になりながらも、歩き出した不二に2人は着いていった。
そうして到着した科学班エリア…。
ごくりと息を呑んで扉を開けた瞬間、ボンッという音と共にわぁああああ!!!とアレンの叫び声が響く。
「アレン…!?」
煙の中、3人が手をパタパタと払いながらアレンがいるであろう場所へ近づくと…。
「アレンの髪が!?」
「一体何が…」
長髪になったアレンと、巻き添えを食ったのであろうティムキャンピーまで髪が生えてきている様子に不二が驚いている横で、ユキサが振り返ってピシリと固まった。
どうしたの?と彩音も問いかけながらユキサの視線を追い、同じく固まる。
「ブ、ブ、ブックマン…その頭…っ…!」
ぷるぷると彩音が体を震わせて笑いを堪える。
ブックマンの頭には本来あったはずの髪がなく、代わりにうさぎ耳が生えていた。
不二も振り返って堪えるように体を震わせたが、ユキサは黙って見ている。
「…かわいい…」
「え!?」「は!?」