第19章 第十八話 本部襲撃
「これからミランダ、マリと共にユキサちゃんにも方舟で第五研究室へ飛んでもらう」
「わ、分かりました」
「…神田くん、君は自室へ戻るんだ」
コムイの言葉に、神田が眉を顰めた。
だが六幻を持たない神田は戦えない。
「今、君を失うわけには行かないんだ…!」
「コムイテメェ…!」
それならこいつだって…!と言いかけて、神田はコムイを見た。
何かに耐えるようにして、手を握りしめている。
チッと舌打ちをして、神田がユキサを見る。
「大丈夫、神田。…いってくるね」
「ッ…!」
ギュッと神田の手を握りしめて、ユキサはミランダとマリと共にゲートをくぐった。
建物内に身を潜めて、不二が呼吸を整える。
「周助、大丈夫!?」
「はぁっ…なんとかね…」
そう言ってはいるが、不二の口からは血が流れている。
AKUMAが多すぎて対処しきれない。
このままでは、卵を持っていかれてしまう…!
目を覚ましてアレン!!!というジョニーの叫び声が響き、彩音と不二がアレンの方へと視線を向けた。
気を失ったアレンを、AKUMAたちが卵と共に連れ去ろうとしたその時。
「刻盤<タイム・レコード>発動!!ターゲットを包囲、時間を吸い出します!!リバース!!」
「彼の者たちに再生の光を『リジェネレイト』!!」
聞こえた声、光り出す体、そしてそこには…。
「方舟、なかなか良い乗り心地だぜェボーズ!さあて、どうされたいか言ってみろAKUMA共?」
「元帥たち…!!」
マリの肩に乗ったミランダが刻盤<タイム・レコード>を発動し、ユキサも言霊を、そして4人の元帥が卵の周りに立っていた。
キョロキョロと辺りを見回し、ユキサが彩音と不二を見つけて飛んでくる。
「彩音!不二!大丈夫!?」
「ユキサの方こそ!!体は?」