第19章 第十八話 本部襲撃
不二も姿を隠しながら確実に1体ずつAKUMAを倒していった。
が、数が多すぎる。
敵に襲われそうだったリーバーを助けて、アレンの怒りを滲ませた声で言った。
「許さないぞ、お前たち…!!!」
アレンに複数体のAKUMAが襲いかかる。
そこへ彩音の光の矢が降り注いだ。
ありがとうと彩音に声をかけて、アレンも退魔の剣を構えた。
『敵襲!!エクソシスト及び本部内全団員へ!第五研究室にAKUMA出現』
神田のゴーレムから流れてきた言葉に、ぴくりと神田とユキサが反応する。
『現在、エクソシスト4名が応戦中。元帥及び以下のエクソシストは至急、方舟3番ゲートのある間へ』
ノイズ・マリ、ミランダ・ロットー、ユキサ・ネーヴェ。
呼ばれていない名前に、彩音と不二が既に戦っているのだと知る。
起き上がるユキサの腕を、神田が一瞬掴んだ。
「私も呼ばれているし、エクソシストだから…行かないと」
「薬の影響は」
まだイノセンスが少しだけ発動しにくい。
それでも戦わなければ、皆が危ない。
ユキサは小さく大丈夫と言った。
『ファインダーの各隊は室長の指示する位置で待機』
「神田こそ、まだ六幻が直ってないんだから早く避難を」
「するわけねェだろ」
お互い譲らない性格なのは分かっている。
無理だけはしないでねとユキサが言い、2人は部屋を出た。
AKUMAの攻撃が降る。
彩音と不二はそれをかわしながら攻撃に出るが、なかなか身動きが取れなかった。
アレンがAKUMAたちの攻撃を受け止めてくれるが、状況は悪い。
「天針<ヘブンコンパス>!乗れお前達!」
タンッと3人がブックマンの針に乗る。
何方向にも伸びる道を飛んで行き来しながら、各々が武器を振るった。