第19章 第十八話 本部襲撃
『ユキサ・ネーヴェ。君の体を調べさせてもらう』
『それは…』
『もし断れば、あの2人に協力してもらわないとならない』
『まさか、彩音と不二…?』
『私たちとしては、君さえ応じてくれればあの2人は調べなくても良いと思っている』
『…。…分かりました』
『今日は多めに血液を取らせて頂きます』
『え、またですか…?』
―――やめて。
『今日は皮膚の細胞を一部取らせて頂きますね』
『…はい…』
―――痛い。
『この薬を飲んで下さい、あなたの体にどう作用するのか調べます』
『………』
―――苦しい…!
『再生の様子を詳しく見たいので、少し切りますね』
―――やめてーーーー!!!!
「ッ!!!!」
はあはあと息を切らせながら、ユキサはベッドから起き上がった。
昨晩傍にあった温もりは、今はもうない。
少し咳き込みながらふぅと息をついたユキサだったが、突然部屋が開かれて小さく悲鳴を上げた。
そこには神田と、焦りを滲ませたコムイの姿がある。
「コ、コムイさん…!?」
「ユキサちゃん!すぐに僕の手術室へ!!」
あぁ、話してしまったんだなとユキサは神田を軽く睨む。
「あの2人には言ってねぇ」
「そういう事じゃないでしょ、もう…」
大きくため息をついて、急かすコムイについて手術室へと向かった。