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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第18章 第十七話 帰郷


「……歌?」
「え?」

ふと、ユキサが辺りをキョロキョロと見回す。
アレンの歌が聞こえると言ったユキサに、神田は何も聞こえないと言った。
確かに聞こえたとユキサが走り出そうとする。

「ちょ、ちょっとユキサ!?」
「多分方舟の中…ちょっと行ってくるね!」
「待て」

ぐっと神田がユキサの腕を掴む。
前回の事を忘れたのかと視線で問われて、あ…とユキサはその視線から目をそらした。
またあの歌を歌って、おかしくならない保証はない。

「…ユキサ。僕たち、その事で聞きたい事があるんだ」
「聞きたい事?」
「周助!」

そんないきなり…と彩音は言ったが、不二は早い方がいいと言った。
4人だけで話そう、いい場所があるからと不二が3人を案内した。



「うわぁ…こんなところがあったなんて…!」

彩音が天井を見上げながら感動する。
不二が3人を連れてきたのは庭園のような場所だった。
散歩している時に偶然見つけたというその場所は、誰かに手入れされているようだった。
普段あまり人が来ない上に、今は教団内も忙しいからといつも以上にここは静かだと言う。

不二がいつも休んでいるという場所に4人で座る。
1本の木が傍にあり、葉の隙間から日差しが差し込む。
程よく暖かいそこは心地よく、眠りを誘う。

「それで、聞きたい事って?」
「とりあえず、この前アレンのピアノに合わせて歌った時の事、教えてもらえるかな?」

分かったとユキサが言った。

神田とスキンを倒した後に自分たちは間に合わず、あの空間と共に消えた。
そして次に気づいた時、アレンのピアノの音が聞こえてきた。
同時に頭の中にも歌が流れた。

どこで聞いたか分からないが、メロディも歌も聞いたことがあったとユキサは言った。

「あまり詳しい事は分からくてごめんね」
「…本当に、ユキサは何も知らないんだよね?」
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