第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム
神田くん、はかり間違えてはいけないよ。
君の命の残量をね…。
コムイと神田の会話を思い出しながら、ユキサが手を握る。
病室の外で、ユキサはその会話を聞いていた。
だからこそ、私が神田を守る。
ドン!と大きな地鳴りが響いた。
先程よりも大きな揺れに、2人はもう時間が残り少ない事を感じていた。
再び鳴った大きな音に振り返れば、入ってきた入口の扉が崩れていく。
「残るはあの「出口」のみ。己とお前…生き残るのはどちらかなあ、エクソシスト!」
「さっきも言っただろ」
ボソリと神田が言う。
「俺の名は神田だ、カミナリ野郎…。生き残るのは…俺だ!!」
そしてユキサと共に、アレンたちを追う。
甘いな!!!とスキンが咆哮し、雷を纏った輪を出現させた。
そこから放たれる雷撃を、ユキサがシールドで防ぐ。
しかしその瞬間、2人の体に鎖から電流が走った。
「ああぁぁぁ!!!」
鎖を引っ張り上げられ、神田は地面へと叩きつけられる。
「お前は殺しちゃまずいからなぁ…けど、お前も怪我が回復するんだな」
ユキサの体質を見て、ニヤリとスキンが笑う。
なら、少しくらいなら遊んでも問題ないよな?と再びスキンが2人の鎖を引っ張り上げた。
神罰と言う声と共に、雷撃が2人の体に落ちる。
神田の二幻刀が、フッと消えた。
続けざまに雷撃が撃たれる。
「ん…?」
スキンがぴたりと攻撃を止めた。
神田の周りに光の結界が張られていることに、鬱陶しげにユキサを見る。
「あぁ…やっぱりまずはお前から殺った方が良さそうだなあ…」
殺すなと言われてはいるが、元々ハートの可能性があるというのなら、壊しちまえばいい。
それが元々自分たちの目的だったはずだ。
もう面倒だ、とスキンが鎖を引き寄せる。