第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム
「だがエクソシスト…己を斬り、己の力を防ぐほど…お前は負けていくんだ」
「テメェも気をつけろよ。そうやって余裕があるからか知らんが、欠伸が出る程隙だらけだぜ」
ガハハハハ!!!と笑うスキンに、神田が言った。
瞬間、スキンの体が大きく斬り裂かれる。
ガクリと膝をついたスキンを神田が見下ろす。
「一体いつの間に…っこ、こんなに斬ってたか…!!」
だが、とスキンがニヤリと笑った。
バチィィ!!!と神田の体に電流が走った。
痛みはあるが、すぐに傷だけは良くなっていった。
ちらりと神田がユキサを見る。
「くっ…!!!」
自らの身体を抱えるようにして痛みに耐えている。
長引けばそれだけユキサの体にも負担がかかる。
だが、スキンにトドメを刺すには…
「充分だな…」
聞こえてきた声に神田がハッと振り向く。
「充分だろう、ここまでやれば…」
―――――満タンだ!!!
スキンの叫び声とともに、神田の体からいくつもの鎖が飛び出した。
甘かったな、エクソシスト!!!
じゃらじゃらと鎖ごと神田が引き寄せられる。
「神田…!!!」
「ライ!!!」
引き寄せた神田にスキンの拳が振り下ろされる。
そのまま吹き飛ばされて岩へ叩きつけられた。
神田の傷を受け、顔を顰めながらユキサが大鎌を出現させる。
鎖を切ろうと大鎌を振り下ろすが、鎖はびくともしなかった。
「無駄だ!」
「ッ!!」
カッ!とユキサに雷撃が落ちる。
咄嗟にシールドで防ぐが、雷はシールドを伝って体へと流れ込んでくる。
足に羽を出現させ、なんとか雷撃を避けたが、既にユキサにもエネルギーが蓄積されている。
ニヤリと笑ったスキンが、神田と同じようにユキサの体も鎖で貫いた。
「が、は…っ!!」