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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第16章 第十五話 スキン・ボリック・ルーム


「…お前、前提から間違ってんぞ」

あ?とノアが返す。
神田が二幻刀を構え、言った。

「お前はここで死ぬんだ」
「…私たちがあなたを倒す」

ぐへへへへとノアが笑う。
さすがはエクソシスト、己の怒りをまた増幅させてくれた。
ノアの言葉に、怒り…?とユキサが思考する。

「己はノア一族、スキン・ボリックだ!」

お前はなんて奴だ?という問いに、神田だと神田が答える。
そうか、と呟きながら、スキンが雷を纏った輪のようなものを出現させた。
そこから雷が発せられ、空へ登ると岩や地面へと降り注ぐ。
それを見ながら、ユキサはスキンは怒りで力が増幅している事に気づいた。

「ユキサ、分かってると思うが」

神田の言葉に、飛ばないよと短くユキサが返事を返す。
空を封じられた。
この状態で空を飛べば、避雷針のようにユキサに雷が落ちるだろう。
神田、とスキンに呼ばれて、そちらを見る。

「甘いのは好きか?」
「大っ嫌いだな」

問いに神田がきっぱりと答えれば、スキンの咆哮と共に雷撃が放たれた。
四方八方からうねるように飛んでくる雷撃に、流石にシールドで防ぐことが出来ず神田とユキサが飛んで避ける。
後退した神田に向けて、スキンが突っ込んできた。

ザンッ!と神田がスキンを斬るが、その傷がゆっくりと治癒されていく。
その様子を見て小さく舌打ちした神田は、続けざまに放たれた雷撃を避けて行く。
速さは神田の方が十分上だ。
しかし放たれる雷撃に加えて、手に走る電流、そして再生する硬い体。
どうすると神田は考える。

「許すな…許すな…許すな…許すな…!!」

岩陰に隠れながら、ボソボソと呟くスキンを見ていたユキサ。
効くかどうかは分からないけど言霊の『強制』を使うか?
しかしあの怒りは、『強制』を使った所で抑えきれるものでもないとユキサは思った。
それほどスキンの怒りの力は恐ろしく大きいのだ。

ならば、怒りを抑えるよう記憶を書き換えれば…。

そう考えた所で、ユキサに気づいたスキンと目が合った。
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