第15章 第十四話 江戸
「この舟は停止したレロ!もう他空間へは通じてないレロって!!」
マジで出口なんて無い…と言おうとした所でレロは男性陣に容赦なく殴られる。
とその時、近くで大きな崩壊が起こった。
「危ない!!」
「『フォースフィールド』!!」
リナリーの言葉に、空を飛んでいたユキサが言霊を発動した。
崩れてきた瓦礫が結界に弾かれる。
「無いレロ…ホントに。この舟からは出られない。お前らはここで死ぬんだレロ」
レロの言葉に、全員が言葉を失った時だった。
―――――あるよ、出口だけならね。
スッ…とアレンの背後から、鍵を持った手が伸びてきた。
全員が振り返り、途端にアレンとラビが叫んだ。
「「ビン底(メガネ)!!!なんでここにいるんだ!?」」
知り合い?と彩音に聞かれてラビがなんと言ったらいいのかと悩み始める。
男が鍵を手に、出口ならあるよと言っているが。
こんなところに普通の人間がいるはずがない。
おい、と神田が2人に声をかける。
「そいつ、殺気出しまくってるぜ」
「「!!!」」
にやりと笑った男がアレンに向かって手を伸ばす。
どうして生きてたの!とゴツンと頭突きをした。
「~~~~~っ!!!」
「千年公やチビ共に散々言われたじゃねェかよ~」
千年公…?その言葉にユキサがぴくりと反応を示す。
何を言って…とアレンが痛みに耐えながら顔をあげると、その男の肌色が褐色に変色し、額には見覚えのあるマーク。
「お前は…!!」
「まぁ落ち着けって、確か…ユキサちゃん、だっけか?」
ユキサが大鎌を振り下ろすが、それを読んでいたかのようにティキが受け止めた。
「出口、欲しいんだろ?やってもいいぜ」
鍵を持っている手をユキサの方へ向ける。
それを見てユキサは大鎌を引いた。