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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第13章 第十二話 東へ


「リナリー…」

大丈夫だろうか、と彩音が心配そうな表情をする。
アレンがそんな事になったのなら…仲間を大事に思うリナリーが落ち込んでいないわけがない。

「とにかく僕たちも明朝出発する事になるだろうって」
「ユキサは大丈夫かな?」
「…いつもと同じならすぐ目を覚ますはずだが」

しかし今は一刻を争う状態。
多少具合が悪くとも、そのまま連れて行く事になるだろう。

「元帥はもうすぐ来ると思うんだけど、先に休んでいるようにって言われたよ」

これから激しい戦いが待っている。
休める時に休んでおかなくては、体が持たない。

「部屋に戻る」
「あぁ。神田もゆっくり休んで」

部屋から出ていく神田を、不二は見送った。

振り向けば不安そうな表情をしている彩音がいる。
スッ…と不二が彩音を抱きしめた。

「周助…」
「大丈夫だよ彩音。皆強い。…僕たちだって強くなったんだ。皆でAKUMAを倒そう」

うん、と彩音の言葉を聞いた不二が少しだけ体を離す。
そうして見つめ合った2人の影が、ゆっくりと重なった。



部屋へ戻った神田は、気配にベッドへ視線を向けた。
うっすらと赤い瞳が開かれる。

「起きたのか」
「神田…」

頭を抑えながらユキサが体を起こす。

「あはは…なんか私、倒れてばっかりでごめんね」

いつも神田に助けられている。
神田は特に気にしていないように今更だろと答えた。

元々、3つのイノセンスを持っている体。
そのうち言霊のイノセンスは体にだいぶ負担がかかっているもの。
さらには他人のイノセンスが破壊された時に訪れる異変。
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