第1章 プロローグ 導かれし三人
江戸よりも更に北。
真っ白な雪が降り積もるその地にて、少女は出会った。
―――――長い真っ黒な髪に、透き通った青い瞳の青年に…。
「ああもう、毎日しつこいなぁ…」
どこを見ても白、白、白…。
そんな雪原を掻き分けながら、大きなリュックを背負って走る少女。
その後ろから迫るのは大きな化け物たちである。
化け物たちから放たれる弾丸を避けるために時折飛び回りながら、少女はひたすら走っていた。
真っ白な髪に赤い瞳の少女は、雪の中を駆け回る小兎にも見える。
端から見れば化け物から追われて逃げているようにも見えるのだが、少女は逃げるために走っているわけではなかった。
「(なるべく町から離さないと…)」
町からはかなり離れてはいたが、念には念を入れて、少女はどんどん雪原の奥へ。
やがて、深い森に到着した。
少女は構わずそのまま森に入っていく。
奥へ、奥へ…どんどん走っていき、少女は足を止めた。
「うん、ここら辺でいいかな…。…って、増えてるし…」
振り向いて、少女は怪物と対峙する。
町から走ってきているうちにどうやら増えたであろう怪物は、6匹ほどになっていた。
「まぁいいけど。…発動!」
少女の声と同時に、少女の右の太腿からダイヤのチョーカーが外れ、大きな鎌へと変化する。
パシッと大鎌を右手で掴んだ少女は怪物へと向かっていった。
―――――ドオォォ………ン!!!!
「!?」
「神田様!今の音は…」
「…行くぞ!」
一方、とある場所へ来ていたエクソシスト、神田ユウとファインダーのナギサは、先程の大きな音の方へ走り出した。