第9章 第八話 魔女の棲む村
ソフィアのストールがかけられた墓で、ユキサが手を合わせた。
そろそろ行こうか、と不二が声をかける。
AKUMAの魂が見えるアレンの話によれば。
イノセンスで倒されたAKUMAの魂は、天に登ってちゃんと成仏できるんだそうだ。
「ソフィアも、アンジェラも…きっと成仏してくれてるよね」
空を見上げた彩音がぽつりと呟いた。
それから少し歩いた後。
4人はデイシャがいるであろうアルヘイムへと辿り着いた。
デイシャのゴーレムは調子が悪いようで聞き取りにくかったが、アルヘイムに近づくと神田のゴーレムに通信が入ったため、すぐ合流する事が出来た。
「まさかお前が誰かと行動するなんてなぁ~」
茶化してくるデイシャに対し、神田は無視を決め込んでいた。
ユキサたちと一緒にデイシャに会いに行くと決まった時から、こうなるだろう事は分かっていたのだ。
「んじゃ、とりま自己紹介でもしとくジャン。オレはデイシャ・バリー。こいつと同じ、ティエドール元帥の弟子だ」
デイシャの言葉に、ユキサたちも簡単に自己紹介をする。
ユキサが、デイシャが指の上で回している丸いものに目を移した。
それを見てデイシャがニヤリと笑う。
「そ。オレの対AKUMA武器、隣人ノ鐘<チャリティ・ベル>」
「え、」
少しビックリしたような表情にデイシャが笑う。
神田から話を聞いていると言葉を聞き、ユキサがあぁ、なるほどと言った。
「さってそれじゃ~、元帥の足取りについてなんだけど」
―――――バルセロナ。
聞いた4人が、デイシャを見た。