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【Dグレ夢】TRICOLORE【長編】

第9章 第八話 魔女の棲む村


「彩音たちとはここで待ち合わせ?」

あぁと神田が答え、ユキサがその辺りの椅子へ座った。
神田はその近くの壁へと寄りかかる。

デンマークでの任務後、ここ、ドイツのミッテルバルトにやってきた。
伯爵が公に動きだした今、元帥たちを探し、護衛につくことが最優先事項である。
神田、ユキサ、そして彩音と不二は、ティエドール元帥護衛を任され、デイシャと合流するためにミッテルバルトで待ち合わせをしている。

「ユキサ!神田!」

程なくして、彩音と不二が手を振って歩いてきた。
再開を喜ぶユキサと彩音を後目に、不二が神田へデイシャからのメモを手渡す。
開いた神田が苦虫を噛んだような表情をした。

「デイシャのやつ、もう少し分かりやすい地図を書けないのか…」

既にどんなものか知っている彩音と不二が曖昧に笑うのを見て、ユキサも神田の手元を覗き込んだ。

これは…。

自分も絵は得意ではないが、さすがに大雑把過ぎるその地図に苦笑いをした。

「『元帥の居場所の情報を手に入れた。ミッテルバルトからダンケルン村を抜けた先のアルヘイムの町で待つ、デイシャより』か…」
「ダンケルン村って、どっちだろう?」
「適当に町の人に聞いてみる?」
「お前さんたち、ダンケルン村に行くのかえ?」

とりあえず町の出口へ歩き出した4人がそんな会話をしていると、すれ違った1人の老婆が話しかけてきた。
はいと答えれば、あそこにいくのはやめておきなと止められる。

「どうしてですか?」
「悪い噂があってね。あそこは昔から、魔女が住んでいるって言われていてね…道に迷った子供や旅人を捕まえては食っちまうっていう噂があってねぇ…」
「…その村の先に用がある。村はどっちだ」

少しだけ恐怖に身を震わせた彩音とは裏腹に、興味なさげな神田が老婆に聞く。
本当に行くのかい!?と驚きながらも、老婆は渋々道を教えてくれた。

「あっちから町に出ていくと大きな森がある。その森をずっと抜けた先がダンケルンの村さ」

ありがとうございます、とユキサが返事を返し、4人は歩き出す。
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