第2章 宝箱の中の子
何度も説得したがシオンは首を縦に振らずどうしようかと考えているところに、サングラスをかけた男でもあり彼の兄がやってきた。
「コラソン。そんなとこで何をやってる?」
コラソンは振り向いて、シオンを抱っこして立ちあがった。
「?誰だそいつは。」
【ガキが宝箱に閉じ込められていた。】
コラソンは紙にそう書くと男に見せる。
「どうするんだ?」
【分からない。だが置いていくのも気の毒だろう】
「それはそうだが……おい。」
男の声にビクッと肩を震わせる。
「お前、何が出来る?戦えるのか?」
「お、お掃除も料理もします…あと…あと」
【止めてやれ。こいつは…。】
シオンは目をキョロキョロとさせ、キュッとコラソンの服を握った。
「…コラソン。そいつはお前に任せる。
しっかり躾をしとけ。ちょっと用事が出来た。」
男が出ていった数十秒後。重く冷たい鉛玉の音がした。