第2章 宝箱の中の子
海の上でピストルの音や大砲の怒号が響く。
ある海賊が海賊と戦っていた。
「フフフフフ。こんなところで生意気な海賊に襲われるなんて、つくづく俺たちも運がねぇな」
サングラスをかけた男がいやらしく笑った。
戦況は男の方が有利である。
彼の仲間は襲ってきた船に移ると宝を漁った。
「おやまぁ…!こんなにたくさん!」
色眼鏡をかけた女性が宝石のついたアクセサリーなどに目を輝かせる。
「こっちもすごい数だぞ!」
各々、宝箱を開けては確認をして自分たちの船へと運んでいく。
赤いズキンを被って黒い羽織を着たピエロみたいなメイクをしている男が、1つの宝箱を開けた。
「……な!?」
そこには10歳にもなってないような女の子が猿轡をされ、両手両足はロープで拘束され閉じ込められていた。
周りをキョロキョロと確認し、誰もいないと知るとこっそり女の子のロープを切った。
猿轡を外すと、優しく抱きあげる。
「こんなとこで何やっている?
お父さんやお母さんは?」
女の子は涙目で首を横に振った。
女の子の体はよく見るとアザだらけである。
まるでムチで叩かれた様な痕もあれば殴る蹴るなどの暴行を受けたような痣もあり、男は一瞬ぎょっとした。