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記憶が亡くなる前に

第7章 二つに分かれた運命


目を覚ますと、医務室のベッドに横たわっていた。

「…ここは」

周りがバタバタと忙しなく動き回っている。
シオンの隣では何かに覚醒したピンク髪の男の子が困惑していて、そのそばに金髪のロングヘアの男の子がいた。

「あ、シオンさん。気がつきました?」

軍医の1人がシオンの元へ駆けつける。

「……。」

シオンはキョトンとした。

「えっと…私ですか?」

「え、あ…そうですよ?」

軍医は目をぱちぱちさせた。
シオンの反応に困ってしまっていた。
そんな軍医を見てシオンも困惑する。
自分が何していたのかいまいち分からなかったから。

「シオン?どうかしたのか?」

センゴクがやってきた。
センゴクが来たことにより、シオンはハッとする。

「センゴクさん…あれ…?今、私…?」

キョロキョロと周りを見回した。
なぜ、いまさっき自分のことが分からなかったのか不思議に思ったから。

「ふむ…きっと頭でも打ったんじゃないか?」

「え、しかし…」

頭は打ってない。何かを見て、追いかけようとした。


誰を?


誰か大切な人の面影が誰かに重なったはず。


シオンはそれが思い出せなかった。
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