第1章 ナカがスキ
「こんにちはー」
マンションのドアを開けると
カランカランと鈴の音がした。
部屋は白を基調とされていて間接照明に優しく照らされている。
リゾートのような観葉植物やインテリアやBGM。
いつも清潔でアロマの匂いの香る、完璧な部屋だ。
「はーい、いつもありがとうございます。」
セラピストの篠井さんが優しい笑顔で迎えてくれた。
ウェルカムドリンクのハーブティーを飲みながら、篠井さんを眺めた。
優しい整った顔立ちに、地毛なのだという、薄い茶色のサラサラの髪。
こんなに素敵な部屋で、こんなに綺麗な人にマッサージしてもらえるなんてなんて贅沢なんだろう
と、うっとりしながらその横顔を眺めた。
じゃあ着替えたら呼んでくださいねと
よく考えたら裸で異性と同じ空間にいるなんて、異常だよなーと思いながらも
いそいそときがえる。