第2章 ー図書室ー
そして竜と虎はどちらが、アテナの国を守るのに相応しいか、どちらの方が強いかを決めるために、戦いを始めた。
その戦いは一週間も続いたという。
でも、アテナはその戦いを見てしまった。
当然、竜と虎は戦いの嫌いなアテナの目の前で争っていたので、もうアテナに見捨てられるのだと思っていた。
だが、心優しいアテナは竜と虎に向かってこう言った。
「二人とも、とても強いのね。
でも、争いは辞めなさい。貴方達を傷つけたくはないのです…。
ですから私はこう考えました。
こんなに強い二人が門を守ってくれたら、皆安心して暮らせるのではないかと…。
だからお願いしたいのです。
二人で門を守ってはくれませんか??」
そう言ってアテナは竜と虎の頭を優しく撫でて、二頭を落ち着かせたという。
その後もアテナの国は、竜と虎に守られ、人々も平和に暮らし、今でも門の守り神として竜と虎は深く親しまれているという。