第13章 蒼い瞳 荼毘
荼毘「じゃあ行ってくるから、いい子に待ってろよ?」
「あ…っ…。」
射した光はすぐに1枚の扉によって閉ざされてしまった。ある事件をきっかけに、私は彼に監禁されてしまったのだった。事件を発見したのが私だけで、彼は私を殺そうと追いかけてきた…が、私の何かが気に入ったのか、彼は部屋に閉じ込めるだけで私を殺そうとしなくなった。
「…」(外に出たい…。)
私の個性は水。飲料を摂取した分だけ体のどこからでも水を出すことが出来る。彼とは相性最悪だ。
「……あれ…?」
よく見ると、玄関の鍵が施錠されていなかった。外から鍵をかけたら、内側からは彼の持っている鍵じゃないと開かない。
「っ…。」
息を呑んでそっとドアノブに手をかけグッと押してみる。
「!…」
キィィ…と鈍い音が鳴り、ドアが開いた。
「っ…。」(逃げられる…。)