第2章 君とタバコ。《スモーカー》
「おい、葉巻だせ」
『え?』
事後。服を着て2人でベッドに座っているとスモーカーが急にそんなことを言い出した。
リンは自分が持っている葉巻を1本渡すと、ばかか。と言われる。
「お前のだろ。お前が加えろ」
『え?あぁ、はい。』
加えると、ジュボッと少し火力が強いライターで先端に日をつけられる。
どういう行為なのか全くわからずに固まっていると、スモーカーが口を開く。
「それは俺の前だけで吸っとけ。」
『えっ、なんでですか』
「…なんでもいいだろ。」
少し照れくさそうに言うスモーカーを見て、リンは少し微笑む。
『スモーカーさんってツンデレですよね。ちゃんと好きだ。とか言ってくれたらどうです?』
「…」
なかなか素直になれないスモーカーがリンに、愛の言葉を伝えるのはまだ少し先の話である。
第2章 『君とタバコ。』~完~