第11章 花火《トラファルガー・ロー》
『それでね、あの時海兵さんが助けてくれてさ〜』
話し方は昔と変わらず1人で話している。
どうやらリンはあの医者のツテで海軍に助けられ、少し離れた場所にひっそりと住んでいたらしい。
あの医者は死んでしまったけれど、リンは変わらず元気に過ごしていた。それだけでもローは嬉しかった。
「お前…珀鉛病結構進んでるな。」
『んー?まぁ、お父さんの薬のおかげで進行は遅くなったけどもう長くないかもね』
「…あの日の約束覚えてるか。」
ローは静かに呟くとリンは微笑み『もちろん。早く治してよお医者さん』と言った。