第10章 へたれ男《コビー》
『なんで私がこんなヘタレに…』
「何またブツブツ言ってんだい」
食堂でコビーくんの愚痴を呟いていると、大先輩であるヒナさんが来た。
ヒナさんに憧れてここまで来た私は興奮して敬礼する。
ヒナさんは笑いながらやめて。と言うがその顔すらも美しい。
「で、また例の新人くんに振り回されてるの?」
『…あいつヘタレのくせに、、!』
「まぁけど好きになったものは仕方ないじゃない。」
ヒナさんが言うなら仕方ない。そうだ。仕方ない。
けど今まで付き合ってきた男は皆ガタイが良くて強くて頭悪くて…
ふむ、アイツはどれも当てはまってない。
「若いわね。私も貴方みたいな年頃に戻りたいわ」
『私は男に生まれ変わってヒナさんと結婚したいです』