第8章 とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》
すこし気まずい空気が流れる。
「俺は謝らない」
『私もよ』
そう言うと、鼻で笑いリンに薬を渡す。
避妊具はつけているし何の薬かと聞くと
「一応だ。俺は抜かりはねぇからな」
さすが医者だ。考えていることが違う。
リンはその薬を飲めば、苦いのか いつものように舌を出してまずー!と叫んだ。
『ねぇほんとに不味いんだけど、もっと美味しいの作れないの!?』
「…そんものなどない」
本当は作れるが、リンの反応が気に入っているからそこずっと不味い薬をあげていた。甘い薬などローでも作れる。
舌を出したまま、不味がるリンに再びキスをした。
ほんのり苦味を感じる。
「おまえのせいだ。恨むなら自分を恨め」
『えっ…ちょ…2回目はっ…』
「今日はメシ食えねぇかもな」
そう言い、2回戦目が始まろうとしていた。
とある女が愛されるまで《トラファルガー・ロー》~完~