第7章 花言葉《モンキー・D・ルフィ》
『じゃあ私もこれあげます』
「いいのか?これ大事なもんなんだろ?」
リンがずっと大切にしている本をルフィは受け取らなかった。
しかしリンはルフィに受け取ってくれと言って聞かなかった。
『いつか…いつか海賊王になったらこれを返しに来てください。
私毎日この木の下で待ってますから』
「…」
『約束ですよ?』
小指を差し出すと、ルフィも静かに小指を絡める。
『そろそろ出航の時間じゃないんですか?』
「…あぁ、そうだな。絶対にこれ返しに来るからよ。俺がここに来た時にお前がいなかったら殴るからな」
『まぁ怖い』
最後は2人で笑い合い別れる。
ルフィが見えなくなると、リンは静かに涙を流した。
本当は行きたかった。ルフィと同じ人生を歩んでみたかった。
しかしリンには強さがない。いくら守ると言っても限界がある。
数分後リンは港へ行き、遠く見えなくなりそうな船を見つめていた。誰も気づかないだろうがずっと手を振り続けた。、
いつかまた、本を返しにこの島に来ると信じて
花言葉《モンキー・D・ルフィ》~完~