第6章 同僚を食べたい《サボ》
「もう遅いし今日はこれ行けねぇか」
『…今日は?』
「あ、これ何時でも行けるやつだから」
『…』
何故か勝ち誇ったように笑うサボにリンはパンチをかますがサラッと避けられる。
「まぁ、計画は思いっきりぶっ壊れたけど
また1から練り直すかぁ」
『なんですかさっきから計画計画って』
「お前を惚れさせる大作戦」
なんとも言えないネーミングセンスにリンは呆れてしまう。
『はぁ』
「なんだよその反応」
『なんというか…サボさんって少女漫画に出てくる男の子みたいな…』
「はぁ?何言ってんだよ。」
『キザ男』
「はい、覚えとけよ」
結局いつもの2人に戻り、思わず笑ってしまう。
サボは少ししてから咳払いをしてリンの手を掴んだ。
「お前が俺の事好きじゃないことは知ってる。だから俺はまだ何も言わない。いつか絶対お前を惚れさせてみせる」
『なんですか急に…』
「順序が狂ったけど、まぁしょうがない。これは仕方ないことだ。」
リンの頬を掴んで、覚悟しとけよ。と言った。
「お前は絶対に俺に惚れる」
どこからその自信は来ているのだろうか。リンは笑ってしまい、余計に強く頬を捕まれる。
『いひゃいれす』
「お前可愛くないなほんと」
そうやって呟くサボに今度はリンは余裕そうに呟いた。
『そんな可愛くない女に惚れたのはどこの誰です?』
これからまた、ひと味違う '' 面倒事 ''にリンはつきあうことになる。
2人の思いが1つになるのはまた少し先のお話。
同僚を食べたい《サボ》~完~