第1章 かえりみち
「爆豪くん」
「あ?」
「すきだよ」
「…」
帰り道、運転してる爆豪くんの横顔がかっこよくてつい言ってしまった。
耳真っ赤になって照れてるのは、世間で大活躍してるプロヒーローのダイナマイトで、私の大好きな彼氏の爆豪勝己くん。
私は爆豪くんとは違って普通科で、私の方が2つ歳が上だ。出会いは雄英高校だったけど付き合い始めたのは爆豪くんがプロヒーローになってからだった。
爆豪くんが本気で目指す道、プロヒーローの道の邪魔になりたくなくて、気持ちをずっと隠して応援してたつもりだったんだけど。
プロヒーローになってデビューをしたその日に私の元に来て、真っ赤な顔で「ずっと好きだった」なんていうから、、。そんなのずるいじゃんか。付き合わないわけがない。
爆豪くんのこの真っ赤に染まった顔だけは私のものだけでいて欲しいっていう醜い独占欲が広がって、付き合うっていう形になってしまったのだ。
「ふふふ」
「なに笑ってやがる」
「爆豪くんはかわいいなっておもって。」
真っ赤な顔で目を吊り上げて「テメェ!!!」とか怒ってるけど微塵も怖くない。もはやかわいい。かわいすぎる。
「心配症なところも、そうやってすぐ顔真っ赤にして照れるところもかわいいよ」
爆豪くんの照れた顔が見たくて、運転中だから下手になにもできないだろうと思ってここぞとばかりに攻める。
「…後で覚えてろよ」
全く覇気のないその一言にすらかわいくてキュンとしてしまう。重症かな。