第7章 寂しさ
次の日も私は枕を抱きしめて眠った。だけどやっぱりそんな事で寂しさが紛れるはずもなく夜は過ぎて行った。
6日目の夜19時。長かった任務がやっと終わり補助監督とは現場で解散をした。あとは明日家に帰宅するだけだ。そんなことを考えながらホテルへ戻り汚れた身体を熱いシャワーで洗い流す。
疲れた。思ったよりも手こずったな…そうだ、悟に明日帰ることを連絡しよう。
シャワーから上がりスマホを手に取ると連絡用アプリを開く。すると1番上にあった名前をタップした。
悟とはこの数日間何通かのメッセージのやり取りをした。今日の生徒達の様子だったり、悟が食べたらしいケーキの写真が送られて来たり。それに対し私もその日の任務の話や夜食べた物などの話を送った。普段は毎日会っているからかほとんど連絡を取り合わない私達だけれど、離れているからか自然と連絡を取り合っていた。
お互い忙しい身だ。メッセージの件数はそう多くないものの、どうってことないそんな日常的なやり取りが私にとってはすごく新鮮で、そして悟からのメッセージが任務終わりの小さな楽しみになっていた。
『任務完了!明日帰るよ♪』と送れば、1分もしないうちに返事が返ってくる。そのメッセージを見つめ、ドライヤーで髪を乾かしていた私はピタリと腕を止める。
何だか…早く悟に会いたいな…
髪を完全に乾かし終え再びスマホを手に取るとネットを開く。新幹線って何時まで走ってるんだろう。東京行きなら遅くまであるのかな。急いでスマホをスライドさせながら新幹線の時間にギリギリ間に合うことを確認すると急いで小さなキャリーバックへと荷物を詰め込む。