第26章 ナメすぎでしょ
「五条悟を殺したいと思っている人間など腐るほどいますよ。僕はそのうちの一人にすぎない」
呪詛師による闇サイトで悟の首に懸賞金がかかっていることは知っていたが、まさかここでそんな人物に会う事になるとは。
悠二君の時もそうだった。呪詛師はこうやって罪なき人を平気で殺そうとするのだ。
「貴方のことはまだ殺しはしないので安心して下さい、五条悟を捕らえてからゆっくりと痛めつけて差し上げます。ははっ、呪術師最強の男は妻を誘拐されて今どんな気分だろうか。想像しただけで胸が躍りますね」
ニヤリと笑う口元が気持ち悪い。さっきから話を聞いていれば…腹の底からふつふつと湧き上がってくるコレは何だろう。怒り…そして激しい嫌悪感。この男が悟の名を口にするたび、抑えられない苛立ちが沸き起こる。
「貴方が悟を捕らえることなんて出来ませんよ」
私の静かな声がこの部屋の中に響き渡る。そしてそれからワンテンポ遅れて「はぁ?」という男の声が響き、私は目の前の男を睨み付けた。
「貴方は彼の足元にも及ばない。きっと悟が呪力無しで戦っても、貴方は彼に少しも触れることすら出来ないでしょうね」