第26章 ナメすぎでしょ
一体何が目的でこんな事になっているのか想像は付かないけれど…もう一度言うがここは海外だ。それなのにこの目の前の人物はどっからどう見ても日本語を話していて…これは偶然私がそこらの人に拉致されたとかそんな話では無さそうだ…
うん、間違いなく計画的反抗だろう。
つまりはこの男は呪詛師という可能性が高いわけだ。
「何が目的ですか」
ジャラリと拘束具の音を鳴らしそう声を出せば、目の前の男はやはり薄気味悪い笑みで微笑むと座っている私へと視線を合わせるようにしてしゃがみ込んだ。
「五条悟の弱味が欲しかったんですよ」
五条悟の弱味…なるほど、目的はそこか。
「あなたは先日晴れて五条家の人間となった。それも五条家当主五条悟の大切な大切な妻に」
「…それで、私をどうしようと?」
「まぁ焦らず僕の話を聞いてくださいよ。僕は五条悟が嫌いで仕方がないんだ。良家に生まれ、恵まれた術式と最高の六眼持ち。保証された五条家当主という立ち位置、呪術師最強と言われるその全てに腹が立って仕方がない」